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2005年10月29日 (土)

高校生との演劇1

僕は東放学園高等専修学校というところで講師をしている。
もう五年目。
今年は、卒業公演の演出担当。十月から十二月までは、週に二日。来年になってからは、ほぼ毎日、高校生と芝居の練習をすることになる。
公演は、来年2月の第二週の週末。IMGP2733

卒業公演というのは、高校生最後のイベントなので、演出をする僕としても責任が重大。
思春期の大事な三年間を過ごした仲間たちとの、最後の思い出作りでもあり、これから出ていく社会に向けての準備運動でもある。
とにかく彼らに、いい時間を過ごさせてやりたい。
心から、そう思っている

気軽に引き受けた高校生の演劇指導だったが、いまでは僕の人生において、かなり大きな部分を占めるテーマになってしまった。
プロの脚本家、演出家としてのキャリアという面からみると、ほとんどメリットはないように見えるかもしれない。
たしかに僕が、高校生と演劇をやっているからといって、脚本の仕事が来たり、演出の仕事が来たりすることはない。
ここで作った脚本や芝居が、僕の生活のたしになるようなお金になることは、ほとんどといってないのだ。

でも、僕はこの仕事をやめるつもりはないし、もっと本気を出して、やっていくつもりだ。
それはなぜか。
それは、僕が何かを書き始めたときの動機に、すごく近いものを、この現場に感じているからなのだ。

僕が、物語を書き始めたのがいつだったのか、はっきりと思い出すことはできないが、覚えている限りでは、小学生の時に、友達に見せたくて漫画のストーリーを考えたときだったような気がする。
最初に書いた舞台脚本は、中学2年生のときの文化祭。全校生徒の前で見せるためのチャンバラ時代劇だった。
楽しかった。
物語をつくるのは、僕にとっては何よりの遊びだったのだ。

いつのまにか、その物語作りで、お金をもらうようになっていた。
もちろん楽しい。
そして、そのいただくお金に見合う、仕事(物語)をつくることには責任を持つという自負もある。
その仕事と、その現場を、高いレベルのところまで追求していきたいという欲求もある。
高いレベルとはなんなのかというところは、また別のテーマだが、とりあえずここでは、社会的な評価もギャランティも高いところのものだとしておこう。(本当の高いレベルは、そういうものではないと考えてますが)

今の、高校生との演劇作りは、その高いレベルに向かう道とは、まったく違う道だ。
むしろ、中学二年生のときの、ぼくの原初的な物語作りの喜びに、かぎりなく近い。IMGP2744

誰かのために何かをしたい。
誰かを喜ばせてみたい。
そんて僕の中にある、本能が、いま僕を突き動かしている。

自分の深いところにあるものに触れようとすると、なんだかとりとめもない文章になってしまいました。
自分が何を書きたかったというところも、ぶれてきます。
今日は、このあたりでやめておきます。
これからもときどき、高校生との演劇作りのレポートをこのブログに書きますので、ドキュメンタリーとして楽しんでくださいね。
脚本作りについても、面白いレポートになるかもね。

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コメント

はじめまして

とてもいいお話ありがとうございます。

私はもう自分の子供が高校生という年ですが、
自分がそのくらいの年頃に部活動で演劇部に所属していて
指導してくれる人の存在というものを
とても欲しいと思ったものです。
田舎だったのでお芝居自体を観たことがあるひとの少ない中
意見してくれる人の存在はとても貴重なものでした。
好きなように楽しくやることもいいのかもしれませんが
客観的な視点を学ぶことをしたかったのです。
指導されていらっしゃる人にはつたないものかもしれませんが、引っ張りあげられてひとつひとつ成長していくことが良いことだったのだなと、今として思えばとてもよくわかります。

最近は若さを無条件にいいなと思うこともあります。

時々寄らせていただきます。

投稿: ムロフシ | 2005年10月30日 (日) 08時28分

ジャッキーさん・・・今、心が表現出来ないほど揺れ動いています。

「誰かのために何かをしたい。誰かを喜ばせてみたい。・・」

自分の心がつかめなくて、答えを探していた私はこの一言で、私の進むべき道が見えてきたような気がします。

仕事の時以外は、ボランティアをしています。勿論仕事では、高いギャランティーを頂く以上、全身全霊をかけて、最大限の努力をしてきたという自負はありますが、何か忘れ物をしたような・・・。

仕事でも、ボランティアで行きますって喜んでいても、報酬が準備されていて、少し後ろめたく寂しい気になる・・・。

きっと私にも、ジャッキーさんと同じように「誰かのために・・・」という心が、日に日に大きくなっていっているのだと感動を覚えずにはいられません。

今、とても穏やかで優しい気持ちで一杯です。本当にありがとうございます。

長女と次女は、家を離れ学生生活を送っています。これからも、多くの方々のお世話になりながら成長を重ねて行くと思います。

二人に何もしてあげられない分、私の周りの人々を喜ばせよう。幸せにしてあげよう・・・って強く思います。

素晴らしい作品を生み出される根幹を発見したような気がします。これからも、私の人生の指針にさせていただきたいと思います。

投稿: ゆみりん | 2005年10月31日 (月) 12時47分

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