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2005年10月22日 (土)

消えた人

超ベテラン俳優たちが出演する舞台を見てきた。
パニックシアター公演『ラスト・シーン』(下北沢『劇』小劇場)
作・マーガレット・ウッド。
女優の中村まり子さんが、主宰し演出もしている。

人生の大先輩である男優さんや女優さんたちが、イギリスの役者のための老人ホームの一室を舞台にして、人生の最後の一ページを、演じてくれている。
堪能させていただきました。

となりの大きな本多劇場では、若手人気劇団の『大人計画』が、売れっ子脚本家九藤さんの芝居をやっていて、賑わっている。
まさに、日本の演劇界の中心地、下北沢。
そこで、出演者たちの平均年齢が、日本一高いであろうと思われる芝居が、若者たちのエネルギーに負けない光を放っておこなわれている。
その事実に、ぼくはうれしくなってしまう。
芝居を好きでよかったと思える。

手が痛くなるほど拍手をして、劇場を出て、演出家に挨拶をして帰ろうとしたとき、ショッキングなことを聞かされてしまった。
知り合いの男優さんが、二年ちかく前に、自殺していたということ。
おどろいて、血の気が引いた。
一時期、その彼とは親しくしていた。彼は僕よりもかなり若かったので、酒をおごって、ずいぶん厳しいことも言っていた。彼のいい声と、ひょうひょうとした演劇が、ぼくは好きだった。
いつも芝居の案内をくれていたのに、ちかごろ来てないなぁと思っていたのだが、こんなことになっていようとは。

そのまま帰る気持ちになれず、酒場に行き、彼のために飲んだ。
あたまのなかでは、いろんな質問がぐるぐるまわった。
その質問をする相手は、どこにもいない。

でも、答えなんかなくったっていいのだ。
質問をするということが大事なのだと思う。
答えをもとめすぎるから、闇のなかに迷いこんだりしてしまう。

ぼくは質問をしつづけよう。
稽古場と劇場は、ぼくが世界にむかって質問をする場所。

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