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2005年11月 3日 (木)

つきあい観劇

知り合いに演劇関係者や俳優が多い。
したがって彼らの公演への誘いが多くなる。
おつきあいの観劇。
いい作品であれば問題はない。
「よかった。おもしろかった。またがんばってください」
と、幸せに挨拶をして帰ってこられて、人間関係にもヒビが入ったりすることはない。

困るのは、どうしても好きになれない作品だったときだ。
相手は、自分の出演している作品は、基本的に良いもの考えているはずだ。
その人にむかって、「あんまりよくなかったよ」とか「面白くなかった」なんてことは、とても言いずらい。
心の中で思っていても、やはり正直に言うと、相手が不快な思いをするかもしれないと、気を使ってしまうのだ。

もちろん正直な感想を言ってあげたほうが、相手のためになるのだとは思っていても、まだ公演がつづくのに、いきなりテンションの下がるようなことを言ってしまうのは、とてもできることじゃない。

そういうときは、何も言わずにさっさと帰ることにしている。
挨拶もしないで帰るのは失礼かなとも思うのだが、自分の心に嘘をついて、お世辞を言うほうが失礼だろう。

芝居とか見にいって、僕と同じような思いをしている人は、かなりいるんじゃないかなぁ。

昨日見にいった芝居はきびしかった。
知り合いが関係しているだけに、ここにそのタイトルなんかは書けないけど、見ていてほんとにつらかった。
芝居の内容よりも、フィジカル的につらくなってしまったのだ。
まずがなりたてる声が大きすぎて、そのうえマイクを使って大きな音量にしていたので、ほんとに耳が痛くなるくらいうるさかったのだ。
どういう効果を狙ったのか、まったく理解できなかった。それとも芝居が面白くなかったので、音が耳障りに聞こえたのだろうか。いや、やっぱり音はでかすぎたと思う。

帰りに乗ったタクシーのドライバーは、いままで芝居は一本も見たことがないという人だった。
そういう人に、ぜひ芝居を見た方がいいですよとは言えない自分がいた。

ぼくは、基本的に、芝居をつくっている人に悪い人はいないと信じたいくちだ。
ひどい芝居をつくったからといって、ひどい人間ではないはずだ。
きっとみんないい人なんだろうと思う。
でも、ひどい芝居を見てしまうと、それをつくった人もひどい人のような気がしてくるから、芝居は危険だ。

ぼくらは危険物を取り扱っている。
もっとそれを意識しなければならない。
薬局で、薬を売る、薬剤師さんたちのように。

芝居は、エンターテイメントであると同時に、薬でもあるし、劇薬でもある。
人を癒す、すばらしいものだが、使い方しだいでは、毒薬にもなってしまうのだ。
劇物。

なるほど、劇だけに、劇物の取り扱いには注意してくださいってことか。
しっかりオチがつきました。

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