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2006年2月22日 (水)

脚本教室再開

八王子脚本教室1

八王子の脚本教室を目指して、新宿駅で電車を待っていた。
楽して行こうと思って、特急あずさの指定券を買った。そしてたら人身事故とかで電車が遅れて、けっきょく30分以上も待つはめに。
ふつうの快速でいったほうが、よっぽど早く着いたよ。結局、開始時間に遅刻してしまうことになってしまった。
絶対に遅れまいと思ったときから、なんだか遅れるような気がしていたんだよねー。
やはり、予感はあたった。
わりとこんなことがある。おきることがわかってるくせに、あえてそれをしてしまうこと。
でも、それには、なにかの意味がかならずある。

シーンには、かならず意味をつけること。
これは脚本においても、絶対に必要なことだ。
意味のないシーンを書いてはいけない。
脚本家は、どのシーンの意味を問われても、答えることができなければならない。

今回の八王子市脚本教室は、年配の人から中学生まで、幅広い人たちが集まっていた。
けっこう経験者が来ているのかと思っていたら、はじめて脚本を書くという人が半数以上。脚本を見たこともないという人も、何人かいた。
それがわかった時点で、方針転換。
初心者向けのトレーニングに切り換える。

今回のメニュー。
まずはミーティング・アンド・グリーティング。(みんなでご挨拶)
次に名前クラップ。(名前をみんなで覚えるゲーム)
ちょっとほぐれたところで、脚本というものが目指すものは何かという説明を入れる。

『出会い』
脚本とは、作家と役者、役者と役者、役者と観客、劇場に集まって一つの芝居を見る人たち全員の出会いをつくるための、設計図なのだということ。
その出会いを、できるだけ幸せなものとするために、脚本は存在する。

物語作りのウォーミングアップは、まだまだ続きます。
全員で、ワンワードでの昔話作り。
おまけにラブストーリー。

このあと、簡単に物語がつくれる方法をレクチャー。
全員で、一人の登場人物を決めて、その人におきるトラブルを考える。それをつなげるだけで、物語のイメージがぐんぐん広がっていくことを体感してもらう。

さぁ、いよいよ自分の物語を書いてもらう、実習。
まずは、主人公の名前を三十秒で決める。
つぎに、その人物の好きなこと、嫌いなことを、それぞれ二分で考えてもらいます。
そこで、ふと新しいことを思いつきました。
主人公におきるトラブルを、23人の参加者が、一つずつ書きこんだらどうなるのか。
いままでは、その本人に思いつくかぎりのことを考えてくれと言っていたんですけど、本人だとどうしても発想の飛躍が制限されてしまいます。
他人の物になら、無責任に思いつくことが書けるのではないか。
それで、それぞれの用紙を、順番に回して、一つずつトラブルを書きこんでいくことにしました。

ここで不思議なことに、参加者の中から笑い声がおきはじめました。
自分が思いつくトラブルに、思わず一人笑いをしているのです。
彼らが、ちょっとしたいたずら心を楽しんでいるのがわかりました。
『そう、その楽しむ心が大事なんですよ!』『物語作りを楽しんでください』そう声をかける。

用紙が一周して自分のところに戻ってくると、この笑顔はさらに広がりました。
自分のキャラクターが思いもしなかったトラブルに巻きこまれることを想像したのです。
そう思いもしない展開が起きること。
これこそ優れたストーリーに必要なことなのですから。

次にシーンの会話を書いてもらうことにしました。
トラブルの中から一つを選んで、登場人物が誰かと話をしているシーンを五分間で書きます。
みんな夢中になって、この五分間を楽しんでいるのがわかりました。
中学生から、六十代まで、ふだんは会うこともない人たちが、一つの机をわけあって、それぞれの物語作りに取り組んでいる姿は、なんだか幸せな光景です。
ストーリー作りの神様、サンキューって感じで、ぼくはその光景をながめさせてもらいました。

最後に、希望者に、つくったシーンを披露してもらいます。
僕が相手役になって、セリフを読みました。
そこには、いくつものいきいきとした会話が生み出されているのでした。

ほんと初日にしては、いいんじゃないの。
しかし、二時間以上もハイテンションで語り続けた僕は、けっこうヘロヘロになって帰りの特急電車に乗ったのでした。

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2006年2月20日 (月)

公演終了しました

『J14~おぼえているから~』
公演、無事終了しました。
ありがとうございました。

今回は、高校生による裁判劇という、いままで書いたことのないジャンルの芝居に挑戦しました。
脚本的には、ちょっと説明がおおくなっちゃったと思っていたのですが、それはこれからの課題として、最大の目的は、ただ一つでした。

『共感』
今回集まった高校生たちが、閉じた心を開いて、お互い一つになること。
そして、言葉を、ちゃんと自分の心からの言葉として、言えるようになること。
それこそが、今回の芝居の最大のテーマでした。

なんども壊れそうになりながらも、なんとか最終公演までにこぎつけた結果、僕のひそかなテーマは、見事に結実しました。
十月の稽古開始の時点で、まったくつながることのなかった彼らが、芝居をつくりあげることで一つになって、お互いに心を開くことができたのです。

この高校は、普通の高校とは、ちょっとちがったところです。
入学試験がなく、面接オーディションで合格ができる専修学校なので、中学時代に不登校の子もたくさんいます。
いじめとかも経験していたりして心が傷つき、それまでは自分の居場所がなかった子が、自分のいられる場所を探して集まってきていたりします。
一般的な高校生もそうかもしれませんが、彼らは群れをつくりたがり、その群れでかたまる傾向があります。
群れのなかだけのつながりを大事にしようとして、それ以外の人には、なかなか心を開こうとしません。

そんなバラバラの子供たちが、29人集まりました。
小さな群れが、いくつもあって、それは互いにあいいれようとしません。
孤立している子もいました。

そんな彼らが、きっと最後には、お互い心を開いて、おたがいのつながりの大事さを感じてくれるようになるはずだ。
芝居には、それを可能にする力があるはず。
ぼくは、それを信じて、彼らの前に立ちました。

芝居の神様は、やはり見てくれてましたよ。
いくつもの困難をなんとかみんなで乗り越えていくことで、見事に彼らは一つになり、お互いを理解し、共感を持ってくれました。
その共感は、舞台を通じて、お客さんたちにもきっと伝わったと思います。

本当に人間ってすごい。すばらしい。
若者のもっている力は無限だと、あたらめて気づかされました。

この芝居のラストでは、裁判所で出会って、お互いを知り合い友人となり、そして別れていく子供たちのシーンがあるんですが、終演後の楽屋で、もう一つのラストシーンがはじまりました。

出演者全員が顔をあわせて、一人一人が、ぽつぽつと今までの思いを語り始めたのです。
いままで心のなかでおさえていて気持ち、はじめて人とつながった喜び、そんなものがあふれだしました。
みんな、泣いていました。
人が本当に心を開いたときにしかおとずれない、あたたかい安心感が、そこはありました。
どんな素晴らしい芝居のラストシーンよりも、すばらしいラストシーンでした。
このシーンを見ることができたのは僕と演出助手の二人。たった三人だけの観客でした。
幸せでした。
こんな素晴らしい瞬間を味合わせてくれた芝居の神様に、感謝しました。

さて、大きなミッションがおわりました。
また次の仕事がはじまります。
ラストシーンは、ファーストシーンに続くのです。

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2006年2月19日 (日)

あと一日です

初日、無事終了。

IMAホールでの『J14~おぼえているから~』の初日、無事終了しました。
見に来ていただい観客のみなさま、ありがとうございました。

ここまで全力で走ってきた高校生たちが、充実しきった顔で楽屋に帰ってくるのを見ていたら、いままでの疲れがスーッと取れていくような気がしました。
それからロビーで、お客さんたちが笑顔で帰っていくのを見送らせていただきました。

書き下ろしの新作戯曲を上演までにこぎつけるのは、本当にたいへんなエネルギーと熱意が必要です。
それにつきあってくれた、役者、スタッフ、そしてそれを完成させてくれた観客のみなさん全員に、感謝の気持ちでいっぱいです。

いままで同じように卒業公演を経て、次のステージに出ていった卒業生たちも何人もきてくれていて、ひさしぶりの笑顔を見せてくれました。
こういう出会いと、つながりをつくってくれるから、演劇って素晴らしい。

今回の脚本は、そんなぼくの、演劇に対する『感謝状』でもあります。

あっというまに駆け抜けた、今回の卒業公演も、今日で終わりです。
リハーサルが、10時半から、そして本番が3時から。
あと二回、見ることができます。

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2006年2月18日 (土)

本番です。

キターッ!
高校生たちとつくってきた、新作書き下ろしの舞台が、ついに初日です。

昨日も、ギリギリまで開幕のための準備をやっていました。
今日も本番まで、もう一回最後の稽古をします。

きっとすごくいい舞台になるはずです。
面白さ、百パーセント。
ぜひこの舞台は、みんなに見てもらいたいなぁ。

本日、光が丘のIMAホールにて、五時会場、五時半開演です。
明日は、三時開演。

お時間あるかた、近くに住んでいるかた、ぜひいらしてください。
会場で待ってます。

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2006年2月13日 (月)

本番まであと五日。

本番まであと五日。
とうとうここまできてしまった。
東放学園高等専修学校の三期生の卒業公演。
ようやく通し稽古までたどりついた。
まだまだ修正していかなければならないところは、たくさんあるけど、芝居の全体像がようやく見えた。

役者たちの顔が、かがやいて見えた。
みんなテンションがあがっている。
稽古がおわっても、そのテンションの高さが持続している感じだった。
いい傾向だ。

この芝居、そうとう面白くなると確信した。
ぜひ多くの人に見てもらいたい。
そして、これからの人生に歩きだしていく彼らの目撃者になってもらいたい。

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2006年2月 4日 (土)

コミュニケーション不足

いま、演劇専攻の高校生のための卒業公演の稽古中だ。
新作書き下ろし、二時間の長編。
たいへんな作品に挑戦しているのだが、稽古時間は限られている。

そんななかで高校生たちは、懸命にがんばってくれている。
僕も、全力投球。
脚本も稽古をしながら直していき、4稿までになりました。
ミュージカルシーンは、全面的に書き直して、作曲家に依頼していて曲のあがりまち。
かなり切迫してます。

そんななか、毎日、反省の連続です。
ぼくは、コミュニケーション能力をアップするために、インプロの技術とかつかってトレーニングをしてきたつもりなんですけど、僕自身のコミュニケーション能力にかなり問題があることを再発見してしまったのです。

高校生たちと、なかなかコミュニケーションがとれないなぁ、苦手だなぁと、心のなかで思っていたことが、感受性の鋭い彼らには、ちゃんとわかっていたんですね。
そのために、いろんな誤解が生まれていて、さらにコミュニケーションは難しくなっていく。
そういう悪循環に陥っていました。
稽古が思うようにすすまないことで、彼らの一部に不満がうずまき、ところどころで吹き出してしまいました。

芝居は、コミュニケーションのための道具なのに、こういう状態がおきてしまうということは、とてもいけないことです。
でも、トラブルが起きたときこそ、チャンスなんだ。
と、自分に言い聞かせました。
摩擦をおそれずに、その摩擦をなんとか溶いていくことが大事なんだと。

いま、高校生と年齢の近い役者さんたちにきてもらって、芝居への取り組み方とか、つくりかたとかをふくめて、彼らによりそってもらうようにしました。

せっかちな僕が、高校生にかみ砕いて話してやれなかったことを、彼らは丁寧に彼らに伝えようとしてくれます。
高校生のほうも、新たな刺激として、それを受け入れてくれたようです。

理解できれば、能力のたかい若者たちは、ぐんぐん伸びてくれるはずです。
稽古時間は限られているけど、きっといい舞台になるはず。
期待感は、ぐんぐん増していきます。

そんな稽古場に、いまから出発してきます。

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