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2006年2月20日 (月)

公演終了しました

『J14~おぼえているから~』
公演、無事終了しました。
ありがとうございました。

今回は、高校生による裁判劇という、いままで書いたことのないジャンルの芝居に挑戦しました。
脚本的には、ちょっと説明がおおくなっちゃったと思っていたのですが、それはこれからの課題として、最大の目的は、ただ一つでした。

『共感』
今回集まった高校生たちが、閉じた心を開いて、お互い一つになること。
そして、言葉を、ちゃんと自分の心からの言葉として、言えるようになること。
それこそが、今回の芝居の最大のテーマでした。

なんども壊れそうになりながらも、なんとか最終公演までにこぎつけた結果、僕のひそかなテーマは、見事に結実しました。
十月の稽古開始の時点で、まったくつながることのなかった彼らが、芝居をつくりあげることで一つになって、お互いに心を開くことができたのです。

この高校は、普通の高校とは、ちょっとちがったところです。
入学試験がなく、面接オーディションで合格ができる専修学校なので、中学時代に不登校の子もたくさんいます。
いじめとかも経験していたりして心が傷つき、それまでは自分の居場所がなかった子が、自分のいられる場所を探して集まってきていたりします。
一般的な高校生もそうかもしれませんが、彼らは群れをつくりたがり、その群れでかたまる傾向があります。
群れのなかだけのつながりを大事にしようとして、それ以外の人には、なかなか心を開こうとしません。

そんなバラバラの子供たちが、29人集まりました。
小さな群れが、いくつもあって、それは互いにあいいれようとしません。
孤立している子もいました。

そんな彼らが、きっと最後には、お互い心を開いて、おたがいのつながりの大事さを感じてくれるようになるはずだ。
芝居には、それを可能にする力があるはず。
ぼくは、それを信じて、彼らの前に立ちました。

芝居の神様は、やはり見てくれてましたよ。
いくつもの困難をなんとかみんなで乗り越えていくことで、見事に彼らは一つになり、お互いを理解し、共感を持ってくれました。
その共感は、舞台を通じて、お客さんたちにもきっと伝わったと思います。

本当に人間ってすごい。すばらしい。
若者のもっている力は無限だと、あたらめて気づかされました。

この芝居のラストでは、裁判所で出会って、お互いを知り合い友人となり、そして別れていく子供たちのシーンがあるんですが、終演後の楽屋で、もう一つのラストシーンがはじまりました。

出演者全員が顔をあわせて、一人一人が、ぽつぽつと今までの思いを語り始めたのです。
いままで心のなかでおさえていて気持ち、はじめて人とつながった喜び、そんなものがあふれだしました。
みんな、泣いていました。
人が本当に心を開いたときにしかおとずれない、あたたかい安心感が、そこはありました。
どんな素晴らしい芝居のラストシーンよりも、すばらしいラストシーンでした。
このシーンを見ることができたのは僕と演出助手の二人。たった三人だけの観客でした。
幸せでした。
こんな素晴らしい瞬間を味合わせてくれた芝居の神様に、感謝しました。

さて、大きなミッションがおわりました。
また次の仕事がはじまります。
ラストシーンは、ファーストシーンに続くのです。

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コメント

言葉ってすばらしい力を持っていますよね。言霊。
最近、ブログ等へコメントを書いたり、メールでやりとりをする事が増えて、自分と他人との言葉への解釈の相違を感じることが多くなりました。難しさを感じております。でも、書くことが好き。下手かもしれないけれど、止められません。せめて人を傷つけることが少なくなるように、もっと精進しなければと思っております。いつかどこかで胸を張って再会出来る日が来ることを祈っています。

投稿: なるみ | 2006年2月21日 (火) 19時58分

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