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2006年3月 3日 (金)

脚本教室2回目

八王子脚本教室2回目レポート

先週はおくれたあずさ29号が、今回は定刻に発車してくれた。
おかげで八王子には時間通りについたのだが、今回は雨が降っている。
傘がなかったし、時間もあんまりなかったので、タクシーで行く。

今回は、名前クラップで開幕。
お互いの名前と顔をおぼえてこそ、リラックスしてその場にいられる。
そういう意味でも、このウォーミングアップは大切だと思う。
簡単なゲームをやりながら、失敗して笑うことで緊張がほぐれていく。
とてもいい雰囲気だ。

次に、昔話作り。
輪になったメンバー全員で、一言ずつをつなげて、昔話をつくっていく。
ときに、とんでもない展開となっていくことを楽しみながら、自由に発言することへの壁を取っていく。
順番がきたら、前の人の言葉につなげて、何かを言わなければならないので、あまり考えずに言葉を発するということのウォーミングアップになる。
このゲームには、一つの物語を全員でつくることでの、共感と、物語作りを楽しむという根本の心を呼び覚ます効果があると僕は思っている。

ウォーミングアップで、みんながほぐれたところで、本題に入る。
今回は、主人公の作り方を話す。
主人公が、なぜ大事なのか。
どうやったらお客さんの共感を得ることのできる主人公にすることができるのか。
そういうことを、みんなで考えながら答えを考えていく。

みんな、たくさんのドラマや映画、芝居を見てきているので、言語化していなくても、主人公作りの要点はわかっている。
ぼくは、それを言語化して、再確認させてやる。
それだけのことで、ドラマ作りの、第一段階がはっきりと見えてくる。

前回、主人公のキャラクターについて、好きな物とか、嫌いなものとかを考えるエクササイズをやったのだが、そういうことがここで活きてくることがわかってもらえたようだった。
どんなストーリーであろうと、登場人物が活き活きとしていなければ、面白くない。
ドラマの中で、人物が生きていることが、大事なのだ。

さまざまなドラマや映画の例を出して、主人公のキャラクターが大事であることを説明した。
その話のなかで、主人公以外のサブキャラクターの大事さにも言及。
とくに、最大の障害(トラブル)となる、適役、またはライバルの存在も。
たまには、主人公自体がトラブルメーカーの場合もあるが、多くの場合は、主人公に立ちふさがる存在として、敵役やライバルがあらわれてくる。
これが魅力的でないと、ドラマは面白くなっていかない。

次に、短い脚本をつかって、芝居の面白さは、舞台上で立ち上がる空気感を役者と観客が共有することであるということの話をする。
使ったのは、この体感脚本講座にもたびたび登場する劇団ハイバイの岩井秀人氏のワークショップ用のもの。
参加者に脚本を配ったあと、参加者の二人に協力してもらって、実演をした。
いわゆる『本読み』である。

これから脚本を書いていくうえで、役者による本読みは、脚本家にとって、とても刺激的な作業場になるということを実感してもらいたかった。
書いた脚本は、声に出して演じることで、はじめて立ち上がってくるのである。

参加者たちも、文字で読むのと、実際に演じてもらうのとでは、空気感が全然かわってくることに気づいてくれたようだった。

最後に、前回、脚本を提出してくれた、関口氏の『時代劇』についての講評をした。
関口氏は、自ら殺陣をやっている人で、自分の面白いと思う殺陣を表現したいために脚本を書いたらしかった。
そういう意味では、脚本を書くモチベーションがはっきりしているだけに好感が持てる脚本だった。
脚本のなかから、小難しいテーマや主張を書きたいのではなく、自分は殺陣をやりたいんだという気持ちが伝わってきていた。
しかし、やたらと説明のセリフが多く、観客を置き去りにして、ドラマがはじまっている印象があったので、そこを指摘した。
やりたいことを観客に見せるためには、まず観客を自分の土俵に連れてくる必要があるのである。
それが成功すれば、あとはなんでも好きなことがやれるのだ。
脚本家は、まず観客を味方につけることに努力しなければならない。

脚本教室の時間内では、関口氏へのアドバイスが終わらなかったので、駅前の喫茶店に移動して約一時間の講義となった。
なんでここまでと自分でも思うのだが、若くて自分の可能性を伸ばそうとしている人を前にすると応援したくなってしまう。
彼は、自分の作品をなんとか舞台化したいという夢を持っていた。
約二時間にもなるであろうという台本を書き上げることの大変さは、誰よりも僕は知っている。
彼の夢がいつか実現することを祈って別れた。
若い殺陣野郎は、自転車で雨の町へと帰っていった。
そして、僕は終電間近の各駅停車で新宿へと向かったのだった。

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コメント

ジャッキー先生の脚本講座、とてもおもしろかった。行ってよかった。脚本の講座なんだけど、いつも私は「担任」とか「教師」の講座のようにも感じていた。つまり、私は中学の教員だけど、「脚本家とは」とか、「脚本」という言葉を「教師」「担任」「授業」とかに置き換えて考えていた。具体的にはまた゛はっきりとらえられないけど、「共感」とか「観客との出会い」とか「脚本は設計図」とか言う言葉は、教室や授業者に置き換えても共通の部分があると思った。あと、「ワクワク感」というのが、新鮮な驚きだった。教師の仕事は、「つらいもの」「がんばらなくちゃいけないもの」だと思っていたが、「楽しんでやること」「ワクワク感」が大事だということが分かった。やる気がでた。

投稿: あきこ | 2006年3月25日 (土) 22時13分

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