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2006年3月30日 (木)

ワークショップとタイ式と脚本技術

ワークショップとタイ式マッサージと脚本

アユリテアトルというカンパニーのワークショップに招かれていたので、行ってきた。
このカンパニーは、以前にも書いたけど、フランスのルコック演劇学校の卒業生たちがつくったもの。
いろんな国の若者が参加している。
今回は、カナダとスウェーデンと日本のコラボ。

ルコックさんは、もう亡くなってしまってるけど、その遺志は演劇学校という形でつづいている。
世界各地から集まった演劇青年たちが一緒に育つ場というのは、いい場所だ。
ナショナリティは、とても大切だが、それらを越えて、一つにつながっていくことに、演劇の役割の一つがあると思う。
そこには平和の芽がたしかにあるはず。
エンターテイメントの力は、宗教や民族をかならず越えられるはず。
そう信じている。

戦争してる国とか、民族とかは、ぜひ一緒に芝居をやってもらいたい。
そりゃ、いろいろぶつかることはあると思うけど、きっと面白いものがつくれて、仲良くなれるはずなんだけどなぁ。
政治は、まつりごと。
まつりごとは、祭りごと。
祭りは、人があつまる。そして、そこには歌や芝居がある。
家族があり、笑いがある。

アニメや演劇で、僕は世界とつながろうとしている。
つながることで、きっとみんなが笑顔になれると思うから。

そういう思いもあって、ぼくはこのアユリの若者たちを応援しているわけ。

ワークショップでは、ウォーミングアップしたあとに、即興をやった。
ぼくも久しぶりの即興を楽しんだ。
はじめての相手と、けっこういいシーンがつくれたような気がした。
それにしても感心したのは、いまの若い役者さんは、即興がうまい。
感心することばかり。

間に、タイ式マッサージをはさんで、友人I井の出演している芝居を見に行った。
今回、ふらりと入ったタイ式マッサージ屋さんには、まじびっくり。
ノックして、部屋にはいると、そこにはいくつかふとんがしいてあって、子供とおばさんがそのふとんの上でテレビを見ていた。
「いらっしゃい」
「えっ、いいんですか?」
「もちろんです……」
  このおばさんは、日本語ができるみたいだけど、子供はあきらかにタイの人。
「お客さんよ~~」
おばさんがキッチンに向かって声をかけると、その子供の母親らしいタイ人のおばさんが、口をモゴモゴさせながら現れた。どうやら食事中だったらしい。
  なんだかドア一つで、違う世界に迷いこんだような気分になる。
 こりゃ、芝居より面白いかも。
 で、マッサージを受けることに。
 このおばさん、背中をゴリゴリしながら、なんだかおれにタイ語で話しかけてくる。
「おれ、タイ語はわかんないっす」と、焦ってると、おばさんは携帯で誰かとはなしてるのだった。
 おいおい、そりゃないぜー。
 こりを、バキバキほぐされちゃいました。
 ちょっと痛かった。
 ていうか、かなり痛かった。
 しばらくすると、子供が「お母さん、19分だよ」と報せにきた。
 20分までに出してくれと言っておいたのだ。
 だが、お母さんは、それを無視して、背中をゴリゴリしづづける。
 おれは芝居に行かなきゃならないんだよー。
 焦ってると、首もボキボキッてやられた。
 この超家庭的タイ式マッサージ、面白かったけど、たぶんもう二度といかん。

 で、今回の芝居。
 いい芝居の時は、がんがん宣伝するんだけど、あんまりできがよくないときはコメントを書くはつらい。
 やっている人たちを傷つけるようなことも書きたくないしね。
 友人のEY君が出演しているので、見に行ったわけだけど、脚本と構成に面白みが少ないので、やはりそれ以上にはなっていなかった。

 脚本の技術は、芝居をやる人、見る人、すべての幸せのために必要だ。
 僕が今までやってきたことは、この技術をたくさんの人たちにひろめるためにあったのかもしれないと思う。

 ここに書きたい人がいる。
 その書きたいことは、とてもピュアで、芸術的な野心に満ちている。
 しかし、その美しい野心を表現するための、技術力がわずかに足りない。
 そのために、多くの人が幸せになれないでいる。
 あとちょっと技術があれば、それは大逆転。
 称賛と、幸せが、そこに満ちるだろう。

 「ああ、この作家に、いろいろ教えてやりたい」
 そんなことを思いながら、芝居を見つめていた。
 大きなおせっかいと言われるかもしれない。
 自分はそういうものをやりたいんじゃないんだと、言われるかもしれない。
 でも、僕は、技術はないより、あったほうがいいと思う。

 で、果たして自分にそんな技術があるのかといえば、それは自分でもはっきりとはわからない。
 技術らしきものがあるとしか言えない。
 面白くなるかもしれない技術。
 それでなんとか三十年近く生活してこられた技術。
 そしてパッション。

 見せたい情熱。
 面白がりたい情熱。

 こんなチマチマしたことが、僕にとってはすごく面白いと感じられるんですよ。
 超家庭的タイ式マッサージも面白かったけど。

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