« 2007年4月 | トップページ | 2007年6月 »

2007年5月29日 (火)

高校生に演劇を教える

月曜日は、高校生に演劇を教える日。
毎年思うんだけど、一年生は難しい。
僕のクラスに出てきてる子のほとんどは、演劇やりたい子のはずなんだけど、ぜんぜんその気を見せない子もいる。

そういう心の状態を、むきだしにできるっていうのは、ある意味自由っていうか、わがまま。
まぁ、社会性がまだないんです。
ときどき精神的に不安定な子もいます。

そういう子たちと一緒にやるということは、こっちにも覚悟がいります。
ほんと、自分自身の状態を、彼らに見抜かれているってこと。

教える側が、いい状態でいることが必要。
すべての責任は、教える側にあるんだってことを示しながら、全身全力で伝えます。

あくまでも楽しさを失わないように。
彼らに、演劇って楽しいんだってことをわかってもらえるように。
毎日、自分が、心から人生を楽しんでいるかどうか。
ほんと、試されます。

これが二年生三年生になると、ずいぶん変わってきます。
ちゃんと自分のやりたいこと、他者との関わり方がうまくなってきます。

あと恐怖感が薄れるのかなぁ。
すべて人が、うまくいかないのは、心のどこかに恐怖を持っているからなのがよくわかります。

一年生は、まだいままでの小学校中学校の教育のなかで、自分を守ることばかりを、体に染みつかせている子が多いので、それを自由でいい、稽古場でも、まだ出せないんです。

親しい友人と話してばっかりいたりとか、友達と離れられないのも、そんな自己防衛の一つの方法。

僕らも、多かれ少なかれ、そんな自己防衛策を、日常で取ってるのかもしれません。

ほんと子供を教えるのって、自己発見の連続です。

夜はインプロのワークショップ。

Jさんの指導の元、全員で心を解放して、即興を楽しみます。
やっぱりいい指導者がいると、安心。
恐怖感なし。

人を最もスポイルするものは、恐怖なんだってこと、よくわかります。

| | コメント (3) | トラックバック (0)

2007年5月25日 (金)

おねがい放課後

ハイバイの公演『おねがい放課後』をアゴラ劇場に見に行ってきました。
昨日が初日だったので、六月三日までやってます。

ハイバイは、僕がこの三年間、一番注目している劇団。
このブログにもときどき出てきます。

今回は劇団青年団の重鎮、志賀廣太朗さんが主演です。
志賀さんの、大学生姿、必見です。
こんなの二度と見られません。

役者陣も、レギュラー出演の金子岳憲や永井若葉をはじめ、みなさんすごく存在感のある人たちばかり。
今回僕は、エキセントリックな演出家役をやった古館寛治さんに、大注目。
その異様なテンションとリアリティが、ものすごかった。
キレ芸と言っては古館さんに悪いけど、一つのキャラクターをものにした感じ。
一番のもうけ役です。

公演終了後にアフタートークショーがあって、作演出の岩井秀人とそのお母さんがステージに上がって、ひきこもり男だった岩井君と、彼の書く世界についての話があった。
これも面白かったぁ。

臨床心理士である、岩井母の話で、興味深いものがあった。
ひきこもりだった息子が、二つ目の高校に始めて行く日。
高校生岩井は、突如として頭を剃ったというのだ。
「そんな頭じゃ、学校行けないんじゃない?」
と、言う母。息子は、
「この頭だから、みんなは俺を見るんだ」
と、外に出ていったらしい。

『本当の自分を見られたくない人は、意図的に見られる部分を作ることで、心が安定することがある』
臨床心理士である母は、そのことに気づいて、治療にとり入れたと言う。
外に出ることが怖かった人が、頭を金髪にすることで、それが緩和されることになった人もいるらしい。

その話を聞いていて、スッとふにおちた。

顔に異様なピアッシングをしたり、奇抜なタトゥーを体に入れる人が増えている。
そういうことに惹かれる人の無意識について。

本当の自分を人前にさらすのが怖い。
そんな深層心理がもしかしたら、彼らにはあるのかもしれない。

もちろん、本当の自分をさらけ出している人なんて、現実にはいない。
人は多かれ少なかれ仮面をかぶって生きている。
社会に適合することの出来る仮面を。

そんな仮面をつけるのも嫌。
でも、やっぱり何か仮面をつけたい。
それがあると、ちょっと安心する。
そんなちょっと安心が、ああいう行為の深層にはあるんだろう。

思春期の子供たちが、奇抜な格好をしたりする心理にも、そういう奥があったんだよね。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2007年5月16日 (水)

地雷を踏んだ

地雷を踏んだ!

朝、木漏れ日をあびながら公園を散歩して、「なんて気持ちいい朝なんだぁ~」と思っていた。
次の瞬間、左足の下で、グニャッと何かがつぶれる感触。
ドカーン!
おれの左足は、吹っ飛ばされた。

それくらいのショック。
犬のウンチ、踏んじまった。

この爆弾をしかけたテロリストに対して、あらゆる憎悪の言葉があふれた。

しかし、憎しみからは何も生まれてこない。
このネガティブなできごとを、なんとかポジティブに考えることはできないか!?
インプロ修行中の身としては、なんとしてもこの出来事を、いい方向に向けたいと思った。

思いついたアイディア。
おれがウンチをつぶしたので、後の人が、その被害を受けずにすむ。つまり俺は、いいことをしたんだァ!
名も知らぬ人のために、影でいいことをしたんだァ!

そんなふうに思うことにした。
たしかに、少し憎しみは消えた。
おれにウンチふませてくれて、ありがとう。おれを、いい人にしてくれたんだね、テロリスト君。
公園をもう一周するころには、そんなふうにさえ思えるようになっていた。

おれは短い間にも成長をするのだよ。
そんなことを思いながら、おれは現場に戻った。

するとそこには、おれが踏んだことにより、さらに細かく分裂して、そこらじゅうに散らばったモノがあるではないか。
おれは、テロリストの一味にくわわり、さらに地雷源を広げていただけだったのだ!

「ウワー、このままじゃ、おれはテロリストだぁ! どうしたらいいんだぁ!」

結局、ちらばったウンチを、木の枝で道端に避けました。
地雷回収終了。
なんとかテロリストになることだけは、避けました。

こんな、いいブログを書くネタをもらったと思うことが、なによりのポジティブシンキングか。

| | コメント (2) | トラックバック (0)

2007年5月14日 (月)

自問自答

昨日は、夕方から芝居を見に行った。

劇場に入ると、偶然隣に、大先輩の石森さんがいた。
びっくり。
おれの業界では、大巨匠である。
おれなんかにも、気安く接してくださる。
いつもお会いするのは劇場。
この巨匠にして、この機動力。

心の中で、弟子にしてもらいました。

親友のミズキングが遅れて到着。
そしてふと反対側の隣を見ると、そこにも知り合いの、モロー師。
なんてこったです。
気がついたら、両脇を知り合いにかこまれて、リラックスしながら芝居を見ることに。

芝居は、お客さんたちは、けっこう楽しんでるようだったけど、僕はちょっと入り込めなくて、退屈してしまった。

そうなっている原因が、わかりすぎるくらいわかる。
こっちは芝居を見る、プロなのさ。
言ってあげたいけど、そういう立場じゃないしなぁ。
そういうところもフラストレーションになってくる。

出演している俳優さんたちは、映像の仕事とかを主にやっている人たちのよう。
役作りをちゃんとしてるのはわかるんだけど、はっきり言って、そんな役作りの芝居は、おれは見たくない。

映像の現場では、オッケイでも、ここでは、まだまだのはず。
そこまで行ってほしいなぁ。

でも、本とか演出によって、そういうものも変わっていくのだろう。

ほんと人に見せるものを作るのって、大変。
人に言うと、自分に言ってるみたいになるなぁ。

終演後、中野坂上に行って、ルーマニア料理とうまいワインを楽しんだ。
なんか帳尻があった気がした。

| | コメント (1) | トラックバック (0)

2007年5月 6日 (日)

ミステリー映画

市川崑監督が撮った、横溝正史原作のミステリー映画シリーズをNHKのBSで放送していたので、4本たてつづけに観た。
七十年代に制作された当時にも、劇場で観ていたのだが、あらためて見直すと、いろいろと感じるところも違う。ストーリーも、ほとんど忘れていたので、新作を観るように楽しめた。

ミステリー映画というのは、脚本家としては一度は書いてみたいジャンルだ。

観客に、犯人探しのゲームをしかけつつ、ドラマとしても、しっかりとした作品を書く。
これは脚本家にとって、最大のチャレンジの一つだろう。

市川監督の、映像美あふれる映画の数々を観ていると、そんな思いがたかまってくる。

実は、僕はミステリー小説が大好きで、子供のどきから一番読んでいるジャンルなんです。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2007年5月 5日 (土)

緑の人

ゴールデンウィークだけど、旅行とか行く予定はまったくなし。
まぁ、こないだ行ってきたばっかりだしね。
家にこもって仕事です。

一日、誰とも口をきいてなかったなぁとふと思う。

コメディストアJの金曜ライブがあることを思いだして、そそくさと出かけた。
隣の駅なんで、でかけやすい。十分前に出ればいいから、気楽だよ。

連休中だから、客入りはどうなんだろうと、ちょっと心配してたけど、そんなの必要なかった。
大入り満員。
おめでとうございます。
おれの席が無かったので、舞台の袖の出演者が控えているところで見せてもらった。

金曜日は、S1グランプリとは、まったく違う構成になっている。
インプロゲームとかを面白く見せたり、役者がつくったキャラクターが出てきたり、シーンをつくったりする。

面白くて、お客さんたちも笑って、楽しんでいるんだけど、僕は少し考えこんでしまった。

たぶん、この場所が日本の即興コメディの歴史において、重要な意味を持つ場所になることは間違いない。
だからこそ、もっと、もっと考える必要があるのだろう。

もちろんプロデュースをしている今井さんは、もっと考えているんだろうと思う。

これでいいのかと。

変化をつづけ、成長をつづけていくこと。
それが面白い。

一人で考えたかったので、そうそうにクロコダイルを出て、タクシーに飛び乗って新宿に行った。
ゴールデンウィークにちなんで、ゴールデン街。

知り合いの店に入ったら、そこには緑の人がいた。
正確に言うと、顔面を緑色で、ど派手なコスプレをした人が二人も。
店員さんと、お客さんが、緑の日にちなんで、緑の人になっていたのだ。

あまりのおかしさに、俺の思考モードは一気に、どこかに吹っ飛んでしまう。

緑の人は、やたらと楽しそうだった。
おれも、かなり楽しくなった。

そこで、すぐに緑の人になれない自分は、まだまだだ。

修行中です。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

« 2007年4月 | トップページ | 2007年6月 »